大河内昌弘
1964年、愛知県に生まれる。小学生の頃より、自身や親族の病気の経験から、医者になって人を救いたいという夢を描いてきた。努力を重ねて医学部に入学し、1990年名古屋市立大学医学部を卒業。大学病院で働くなかで、総合的に全身管理をしてくれる医者がいないことに違和感を覚えるようになる。患者の心の支えにもなる医者になりたいと、2012 年におおこうち内科クリニックを設立。
https://www.okochi-cl.com/

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

INTERVIEW

私たちは、「おもてなし」の心を軸に、医療界のアマゾンを目指しています。ホスピタリティを最優先に考える医院の方針は、決して安易に作られたものではなく、長い月日をかけて構築されたものです。おもてなしのサービスから感動を与えるクリニックを実現したことで、今ではいろいろなクリニックから見学に訪れる人も多くいらっしゃいます。病院の居心地を良くするためには、まずはスタッフ自身が幸せでなければならない、という理念のもと女性が心地よく活躍できる職場を目指してきました。

大河内昌弘

女性スタッフが支える、愛あるおもてなし。

病院というのは、病気を治すために来る場所です。しかし患者さんが病院に来る際に抱えているのは、病気の苦しみだけではありません。心の葛藤や、不安を抱え、心細い心理状態でいることをきちんと理解する必要があります。その上で、こちらが温かい言葉をかけ、気にかけることで「自分のことを大事にしてくれているな。きっと大丈夫。」と治療に前向きになってくれるものです。
私たちのクリニックも初めから、今のようなホスピタリティ溢れる体制ができていたわけではありません。長い月日をかけて、受付や院内のスタッフ一人一人が努力をし、私の見えないところでも自主的に患者さんの気持ちを察し行動してくれるようになったことは大きな財産です。医療というものは、技術ばかりがプロフェッショナルになることを目指してはいけません。病院の居心地の良さ、心が安心する空間であるかどうかが病院への信頼の第一歩です。今では、患者様とスタッフの心の距離が縮まり、スタッフが指名されることもあるほどです。一人一人の患者様に真摯に向き合い寄り添った結果、生まれた信頼の賜物であると言えるでしょう。地域の中でも、おもてなしを実感していただけたエピソードが話題となり、スタッフ自身の誇りに繋がっています。スタッフのモチベーションが、日々クリニックを成長させてくれているように感じています。院内のスタッフはほとんどが女性です。女性スタッフの芯のあるおもてなしが、おおこうち内科クリニックを支えているわけです。

スタッフ同士の思いやりが、接客の基礎を築く。

大河内昌弘 患者様の心地よさを追求するならば、まずはスタッフも気持ちよく働いてなければ「おもてなしの心」は生まれないと思っています。そして、大事なのはチームワーク。スタッフがお互いに理解し合い、タッグを組むことに楽しさを見出してもらうために、様々な取り組みを日々行なっています。例えば、大臣任命をしてお互いを讃え合う制度。自分が思っている長所というのは、他人から見た長所と一致するとは限りません。その人の長所を大臣の名前につけて任命することで良いところをさらに伸ばしていく取り組みで、これまで患者情報大臣や、糖尿病指導大臣、おもてなし大臣などが生まれました。また女性は家庭の仕事との両立を求められる方も多くいらっしゃいます。働きやすさには、家族の理解というのも大きなキーポイントです。そこで社内イベントには家族の方に参加いただくことを推奨しており、クリニックのことを家族の方にも知ってもらうことで理解を得やすい環境作りをしています。私自身も、彼女たちのことを大切に考えているという気持ちを伝え続けなければいけないと思っていますので、サプライズを仕掛けることもあります。スタッフ一人一人の好きな曲を、こっそりカラオケに行って一人で練習を重ね、社員の食事会のときに歌ったときには、みんな感動してくれていました。心を揺り動かすということは、人に幸せな気持ちをもたらします。スタッフ同士で、心の通じ合う経験を重ねることで、患者様にも同じように心からの接客ができているのだと思います。

女性が能力を発揮できるチャンスを提供したい。

大河内昌弘 自分達に足らない感性や高い意識を学ぶために、有名な外部講師をお招きして院内講演会を定期的に開催するようにしています。以前は休日を使って外部セミナーに参加してもらうようにもしていましたが、積極的に参加するスタッフとそうでないスタッフと分かれてしまい、モチベーションにさらにギャップが生まれてしまいました。そこで、チャンスを平等に与えることができるよう院内講習にこだわっています。
家庭との両立やライフイベントなど、仕事と両立するための悩みを抱えがちな女性は、なかなかその能力を開花させるタイミングを掴むことが難しいのが現状です。経営者として、そうしたチャンスを提供し、女性が本人の想像以上に力を発揮し活躍できる場所を整えていきたいと考えています。今後、医療サービスにもAI技術はどんどん取り入れられていくことでしょう。そのときに、私たち人間に求められるのは、人だからこそできる内面的なサポートやケアではないでしょうか。そこには、女性だからこそできる気遣いや感性はかけがいのない大切な力になります。人だからこそ提供できるおもてなしのサービスを追求し、スタッフ自身も自分の人生が豊かになり、家族を喜ばせ、人から尊敬される存在になってほしい。そのために経営者として、新しい取り組みにますますチャレンジしていきたいと思っています。