中原維浩
1983年生まれ。北海道帯広市出身。2010年、東京歯科大学卒業。2011年、同大学の千葉病院総合診療科を修了。ニューヨーク大学やUCLAなど最先端のアメリカの審美治療に触れ、オーストリアのウィーン大学をはじめ、ヨーロッパ14カ国にて研修を重ねる。2016年、東京都小岩で医療法人社団栄昂会細田歯科医院を継承。2018年には横浜市戸塚にて子育て支援施設として分院を開業。現在、全国の医療機関の待合室を様々な活動に使えるよう「待合室の革命家」として、2017年にDECT株式会社を設立し、全国にてスタッフ教育や年間100回を超える講演活動を行っている。
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※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

INTERVIEW

歯科医院は、院長以外のスタッフ全員が女性というケースが大半です。私も勤務医時代から、そうした環境に支えられながら医師としての成長を続けてきました。つまり、もっとも女性活躍が進んでいる業界とも言えますし、女性が活躍するための働き方を試行錯誤するのは当然のことと言えるでしょう。多様化する社会の中で、「歯科医院=女性が輝ける場所」となっていくことを、さらに追求していければと思っています。

中原維浩

誰もが役割に応じて主役になれる職場を

当院における女性活躍のための取り組みの一つとして挙げられるのが、院内での職種名の改定です。
多くの歯科医院では、資格のある歯科医師に紐づく形で、歯科衛生士や歯科助手といった職種名が付けられているのが通例。しかし、そうした名称が付いてしまうと序列が生じやすく、同じ職場で働くスタッフ同士にも関わらず、年齢や経験年数などで一線を引いてしまう要因にもつながり、気軽に意見が言い合えない状況を生んでしまうこともあります。
そこで考えたのが、「歯科助手」という名称自体をやめ、「クリニックマネージャー」や「ドクターマネージャー」といったように、誰もが役割に応じて主役になれる職種名を新たに付けることにしました。
歯科医療では、無資格者でも有資格者でも関係なくできる業務はたくさんあります。例えば当院では「SNS担当責任者」や「デンタルエステ責任者」など、独自の職種名を設け、面談をしながらその人に特化した役割を一人ひとりに決めています。そうすることで、歯科助手だったスタッフが責任者となり、歯科医師がその補佐という序列も生まれます。それが今までの上下関係をフラットな状態に戻し、若手の方でも責任者に抜擢されることで、自信やモチベーションのアップにも繋がっています。実際に、今まで積極的に自分の意見を言わなかった方が、自ら提案をするようになるなどの効果も生まれています。

応募者殺到の歯科医院が提唱する、働き方改革

中原維浩 医院を成長させるためには、スタッフが自ら考え、クリニックをよりよくするためのアイデアを気軽に発言できる環境にすることが大事。だからこそ職種や上下関係に捉われず、目標達成に向けて切磋琢磨し合える関係を築いてほしいと思っています。
これまでの医療業界では、無資格者のスタッフは医師の部下だというイメージがあったように思いますが、これからの時代は資格の有無に関係なく、医院に携わる全員が一つの仕事を楽しむ仲間だという意識を持たなければいけません。
それが女性の働きやすい環境づくりにも繋がっていくのではないでしょうか。
また当院では、顧問社労士を入れ、継続就業しやすい産休育休制度の充実を図るなど、あらゆる福利厚生にも力を入れています。
とくに女性は、子育てと仕事を両立していて時間を取れないという方も多いですから、教育訓練を自宅でも学べるようにオンライン環境を用意したり、長時間労働を是正するために雇用形態でもかなり柔軟な体制を整えています。短時間勤務でも能力次第では正規雇用を勧め、産休明けや育児中の女性でも積極的に採用していく方針を貫いています。そうした制度が多くの女性にも認められ、今ではたった3名の採用募集枠にも160名近くの応募があるほど。募集を締め切った現在でもまだ、おかげさまで応募の問い合わせが続いています。

女性に理解を示し、女性視点を取り入れる意義

中原維浩 なぜ、そこまで女性に対する待遇を手厚くしていきたいのかと言えば、やはり我々の医療サービスにおいて、女性の活躍は必要不可欠だからです。
女性は男性以上に細かいところに気づく感受性が豊かだと思いますし、痒いところに手が届くサービス精神もあります。物腰の柔らかさも女性特有の良さでしょう。
私が提唱している「待合室革命」においても、女性の観点は欠かすことはできません。待合室は、いわば病院の顔。その顔をオシャレで綺麗に、かつ清潔に整えることは、医院にとって大きな違いを生む要因にもなります。
とくに歯科業界における患者比率は女性が圧倒的に多いですから、待合室のレイアウトやディスプレイなどで女性ならではのセンスを活かすことは、患者に喜ばれる一番の近道でもあります。
そして、女性は多くのライフステージで転換期を迎えていく中、社会における役割も日に日に増しています。私自身もそうした女性の環境に理解を深めながら、今後も女性活躍の受け皿となれるような医療環境の改善に注力していければと思っています。